ハードカプセルの内容物の充填方法による苦情事例です

以下は、ハードカプセルの受託製造、OEMにおいての過去のクレーム、トラブル、異状の事例を、事実を元に再構成し苦情処理形式でまとめたものです。
内容は、フィクションであり、発生日時、状況、会社名、製品名などはすべて架空のものですが、万一、貴社製品において類似のトラブルが発生した際には、原因究明の一助としてお役立てください。

20○○年2月1日 にんにく卵黄ハードカプセルがひび割れて見える

●発生状況
平成2○年2 月1日に、「にんにく卵黄ハードカプセル-PB(商品名)にひび割れが見えるとの苦情が寄せられた」として、販社様よりその現物であるカプセル10粒をいただくとともに調査をご用命いただいた。

●調査結果
お送りいただいたカプセル10粒の外観を確認したところ、すべてのカプセルに、内容物のひび割れ(カプセル内容物の隙間)が認められた。
これは、空のカプセルに、ニンニク卵黄粉末を充填する際に生じる粉末間の隙間であり、程度の差こそあれ、製造ロット毎に見受けられるもので異常ではない。

にんにく卵黄ハードカプセルの隙間の写真
カプセル内容物に隙間(ひび割れ)が見える

●原因
本カプセルは、販社様からご支給いただくニンニク卵黄粉末をそのままの形で(添加物を使用せず、整粒することもなく)、1カプセル中に所定量の200mgを充填する仕様である。
このニンニク卵黄粉末は、ご支給毎にその粉末の粒子の大きさが異なることがある。
粒子径が変わるということは、かさ密度が変動するということである。
ハードカプセルは、あらかじめ容積が決まっている空カプセル中に内容物を充填するため、かさ密度が大きい場合(重たい場合)は容積が余るので隙間が目立ち、かさ密度が小さい場合(軽い場合)には隙間は目立たなくなる。

精製され規格もされている医薬品原料と異なり、健康食品の原料には、今回のケースのように粒子径の規格が無いものも多い。
そうした場合は、製剤設計時にカプセル容積に余裕を持たざるを得ない。
かさ密度が小さい場合には所定量のカプセル内容物が充填出来ないことになるからである。
したがって製造ロットによってはこのような隙間が多く生じることはやむを得ないところがある。
このことは販社様もご承知であり、本製造開始前にご了承もいただいていることでもあるが、今回は一般の消費者様からの苦情であったため、念のためにご連絡いただいたということであった。

なお、念のため弊社保管サンプルにて、直近の製造品3ロットについて外観を観察したところ、いずれも隙間は認められ、いただいたカプセルに特にひび割れが多いということは無かった。

●今後の対策
以上のとおり、今回の臭いは本品の特性であり、異常ではない。
そこで、販売会社様には、消費者のお客様に対し次のご説明をいただくよう、お願いした。
  • カプセル内容物に、粉末のすべりを良くする滑択剤や、形や重量を調整する賦形剤などの添加物を使用していないために、ひび割れ(隙間)が見えることがあること。
  • カプセル内容物は天然物のため、製造毎にひび割れの状態が大きくなったり小さくなったりすることがあること。
  • これらは外観上の特性であり異常ではないため、品質に問題のないこと。


参考)

●かさ密度
嵩密度と書く。
単位体積当たりの粉末の質量のことで、体積が解っている容器に粉体を充填して、その質量を測定し、質量を体積で割った値。
上記の例では、「粉末の粒子径が製造ロットによって異なるため」と簡単に決めつけているが、実際のところ嵩密度は、粒子径のほかに、粒度分布、水分含量など、様々な要因に影響を受けるため単純ではない。

一般には、みかけの密度を測定することを目的とするため、粉末を圧縮したり容器をタッピングすることなく測定するが、ハードカプセルの充填適正を確認する際には、
  • 容器を決める。(250mlメスシリンダー等)
  • タッピング条件を決める。(○cmの高さから○回落す等)
  • 複数回測定し、g/ml、g/?で表す。
等の統一した条件や測定方法を設定するべきである。

●滑択剤
滑択剤」をご参照。

●賦形剤
賦形剤」をご参照。

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