アスタキサンチンソフトカプセル変色に関する苦情と対処事例について

このページは、ソフトカプセルの過去のクレーム事例を参考にして苦情処理形式でまとめたものです。
内容は、事実を元に再構成したフィクションであり、発生日時、状況、会社名、製品名などはすべて架空のものですが、ソフトカプセル製品で共通して危惧される異常、苦情、問題ですので、 万一、貴社が販売している製品において類似のトラブルが発生した際には、原因究明の一助としてお役立てください。

20○○年10月2日 アスタキサンチンソフトカプセルの色が濃くなった

●発生状況
平成2○年10月2日に、「アスタキサンチンソフトカプセル‐OEM(商品名)が、製造ロットによって、カプセルの色が大きく異なる」として、販売会社様から2種の製造ロットのサンプルをいただき、確認をご用命いただいた。

●調査結果
本品のカプセル内容物の配合は、主にアスタキサンチン、β‐カロテン(ベータカロチン)、馬プラセンタエキス、レッドパーム油からなっている。
お送りいただいたサンプルA(製造日20○○.6.26) 、サンプルB(製造日20○○.3.10)は、同一製品でありながら、確かに色調は異なっていた。
そこであらためて、この2つの製造ロットの色調について、該当する弊社保管品および製造時の製品試験結果(性状試験での色調検査)を確認したところ、下表のとおりであった。

検体名
製造直後の色調
(JIS色票)
保管品の色調
(JIS色票)
返送品の色調
(JIS色票)
サンプルA (製造日20○○.6.26) 明るい赤茶色
(10R6/10)
やや暗い赤茶色
(10R4/10)
やや暗い赤茶色
(10R4/10)
サンプルB (製造日20○○.3.10) やや暗い赤茶色
(10R4/10)
同左 暗い赤茶色
(10R3/6)

この結果をまとめると次の通りである。
  • サンプルAとサンプルBの色調は、製造直後においても違いが認められた。
  • サンプルAとサンプルBともに、穏やかながら経時的な色調の変化(濃色化)が認められた。
  • サンプルBは、弊社保管サンプルと返送品で色調の違いが認められた。(返送品の方が濃い)

以上から、両者の色調の差は、製造ロット間でのばらつき、及び経時的な濃色化によるものであり、濃色化の進行度合いは、保管環境によって異なることがある。

●原因の推察
本品に配合されている原料のうち、主にアスタキサンチン、β‐カロテン(ベータカロチン)は、熱・光・酸素などの影響で徐々に色調が濃くなる性質がある。
(但しソフトカプセルに加工することで、内容成分の保護効果が働き、通常の保管環境下ではその変化は極めてゆるやかである)
また、アスタキサンチン、β‐カロチン、馬プラセンタエキス、レッドパーム油は天然の成分であり、原材料の採取場所、採取時期、またはその年の気象条件などによって、原料ロットごとに色調が異なる場合がある。(一般に、アスタキサンチン、β−カロチンなどのカロチノイドは色調の変動が大きい)
今回の「アスタキサンチンソフトカプセル‐OEM」の色調の違いは、これらのことが原因である。

●今後の対策
サンプルBでは弊社保管品と返送品での色調の違いも認められたため、販社様によりご安心いただく目的で、お送りいただいた2種のサンプルについて、念のため官能検査(味・臭い)、細菌検査(一般生菌数・大腸菌群)、崩壊試験を実施したところ、下表の通りで異常は認められなかった。

検体名
官能検査
(味)
官能検査
(臭い)
細菌検査
(一般生菌数)
細菌検査
(大腸菌群)
崩壊試験
サンプルA
(製造日20○○.6.26)
異常なし 異常なし 300個以下 陰性 20分以内
サンプルB
(製造日20○○.3.10)
異常なし 異常なし 300個以下 陰性 20分以内

本品は、カプセル内容物の性質から、製造ロット毎に色調が変化する要素がある。
また、長期保管される間に、適正な保管環境であっても、ゆるやかながら色調が濃くなる特性がある。
これらは外観上の変化であり本質的な異状では無いが、消費者のお客様にはそういった情報や、保管上の注意をしっかりとお伝えすることが重要である。 なお、このことを問題視する場合には、製造上の対策として次の方法がある。
  • カプセル内容液をあらかじめ濃色に着色しておく。
  • カプセル皮膜を着色する。

なお、一般的にはカプセル内容液に着色する方が、コスト的に安価である。
ただし、内容液に配合する機能成分の本来の色を利用して着色する場合には、(機能成分は高価なため)逆にコスト高になるケースもある。
また、着色剤を使用する場合には、着色剤としての原材料表示が必要になる。

参考) JIS標準色票
JISの制定している色票で、JIS Z 8721「色の表示方法-三属性による表示」に準拠して制作されたカラーチャートである。
(財)日本規格協会が発行し、(財)日本色彩研究所が製作している。
色を客観的に表現したり、他者に伝えることはなかなか難しいため、そのよりどころとして使用する。
自社内での工程管理においては、実際の色見本として少量のカプセル内容液や数粒のカプセルそのものを冷蔵保管しておけば良いが、製品試験時の色の記録、あるいは販社様への報告の際には客観性が必要なため、このようなものが役に立つ。
但し、平面のカラーチャートと立体のカプセルを比較するため、色を検査する人によっての個人差や、測定場所の明るさによって、差が発生することがある。
  • 類似のものに、DIC(旧 大日本インキ化学工業)の色見本(カラーガイド)がある。
  • 筆者がこの業界へ足を踏み入れた30年近い前には、カプセルの色を客観的に示す手段として重宝したものだが、現在ではカプセル内容液なりカプセルなりを、デジカメで撮影して記録したり、緊急連絡にはそれをメール添付で送る方がはるかに速く、また現実的である。

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