ソフトカプセル全般の内容物結晶化についての苦情について

ソフトカプセルの内容液の結晶化の問題(その1)

ソフトカプセル製品は、いくつかの苦情対象となりえる異常の状態がある。
そのうちの、ソフトカプセル内容液の外観異常(変化)は、主に次のものがある。
  • 変色
  • 分離(沈殿)
  • 気泡発生
  • 結晶析出

このうち「変色」は、主に化学反応に起因するため、「濃度・温度・時間」に左右される。
具体的には、
  • 変色しやすい成分が多量に配合された製品が、
  • 高温の環境下で保管されて、
  • 一定の時間が経過した場合

に変化が進む傾向がある。
配合成分はもちろん製造業者である我々は熟知しているし、保管環境は、販社様であれば、夏場に空調がない倉庫で相当期間保管された場合、 一般のお客様のご使用下では、夏場の車内に放置された、容器を開封したままで放置された等の極端なケースに限られるので、異状品を確認調査することにより、割合に原因は突き止めやすい。

またいわゆる「分離、沈殿」も、多くはこのような厳しい保管環境によって、カプセル内容物中の粉末と油のなじみを良くするための乳化剤や増粘剤などの働きが低下することに起因するため、 やはり原因追及はしやすいと言える。
また、変色同様、製品の一部に限られる問題なので、製品回収などの大仰なトラブルに発展することは少なく、販社様の大きな負担にはなりにくい。

一方、「気泡発生」と、「結晶析出」については、物理的な変化であり、その発生の仕組みには複雑な要素があるため予測困難な面があること、 また同一製造ロット内で一様に発生することが多いため、万一の際には製品回収が必要になる可能性が大きいことから特に注意を要する。

さて、以下はこのうちの「結晶析出の問題」について考察する。
(気泡発生も様々な要因を含んでいる課題なので、これについては、別途「ソフトカプセルの気泡の問題」で解説する)

次の写真は、コエンザイムQ10 を1粒に40r配合したソフトカプセルの例である。
製造時には、サフラワー油にコエンザイムQ10を完全に溶解させてカプセル加工したものの、継時的にコエンザイムQ10の結晶がカプセル内部に析出したものである。
コエンザイムQ10ソフトカプセルの結晶写真1 コエンザイムQ10ソフトカプセルの結晶写真2
コエンザイムQ10の結晶が析出したカプセル 横から見たところ
このケースの場、結晶発生までの期間は、なりゆきの室温保管の状況にて3か月程度であった。
(もちろん、この期間や結晶の状態には、COQ10の濃度、溶解する油脂の種類、溶解方法、その他の共存物質、保管環境、包装形態など、様々な因子が関与する)

コエンザイムQ10は元来、油溶性物質のため、ハードカプセルや錠剤よりも油に溶かした状態て配合できるソフトカプセルが生体内の吸収性(バイオアベイラビリティ)において好ましいとされる。
しかし油溶性といえども実際にはコエンザイムQ10の油への溶解度はあまり大きくないため、一度溶解したものが時間とともに析出することがある。

この問題は従来より知られているため、現在ではその結晶を見えにくくする目的で、市販のコエンザイムQ10ソフトカプセルの多くが、カラメル色素を用いた茶褐色のカプセル皮膜を採用している。
(カプセルを切って中身を出して見れば、決してそれがナチュラルな内容液の色ではないことが解る)

この結晶化に類似した内容として、ソフトカプセルのクレーム事例 ローズソフトカプセルで紹介したようなケースもある。

以下 その2へ続く

健康食品のOEMメニュー

マリンプロジェクトのショッピングサイト

マリンプロジェクトについて