ソフトカプセルの液体漏れの調査方法の説明

ソフトカプセルの液漏れ原因の調査方法(その1)

●はじめに
ソフトカプセル製品に限らず、健康食品において何らかの異常、苦情、トラブルが発生した場合には、まずはその発生状況を、総合的かつ詳細に確認することが肝要である。
(例えば、発生場所、発生時期、頻度、発見者、製造時の記録、保管サンプルの状況などを5W1Hにて整理する)
この状況調査と経験則とによって、ある程度発生原因の見当をつけることが出来る。
しかしそれと並行して、異常現物を入手しての詳細な観察を行わなければならない。
これをおざなりにしては、真の原因を見失う恐れがあるからである。
そのような観点から、ここではソフトカプセルの異常のうち、最も多く苦情が寄せられる「ソフトカプセルの内容液が漏洩した場合」の調査方法について述べる。

●ソフトカプセルの内容液が漏洩する原因
一般に、ソフトカプセルの内容液が漏洩する原因としては、
@カプセル自体に、強い押し圧等の衝撃が加わって、カプセル皮膜が割れた場合。
Aカプセル皮膜接合部の強度不足(ヒートシールの異常、接合厚さの不足)。
Bカプセル内容液中の粉末成分が、カプセル皮膜接合部に挟まり、そこから内容液がにじみ出た場合。
Cその他(特殊な事情)
が上げられる。
上記各種原因を念頭に置きながら、苦情現物の調査を進めていく。

●苦情現物の観察
苦情現物(内容液の漏れを起こしたソフトカプセル)の原因究明は、まず目視検査から始める。
この時の目的は原因の推察であるから、特別な装置や道具は不要で、肉眼及び倍率の低いルーペがあれば良い。

@のケースの場合、カプセル皮膜の接合部に沿って割れている場合と、接合部に関係なくひび割れている場合がある。
したがっていくつかの割れたカプセルの中から、接合部に関係なくひび割れているカプセルが発見された場合には、このケースである可能性が高い。(写真1)

一方、Aのケースの場合は、割れたカプセルのすべてにおいて、カプセル皮膜の接合部に沿って割れていることが観察される。(写真2)
ソフトカプセルの割れの写真1 ソフトカプセルの割れの写真2
写真1 写真2
Bのケースは、接合部の一部から、ジワリとにじみ漏れている様子が観察される。(写真3)

ソフトカプセルの液漏れの写真
写真3

カプセル内容液が、液状油脂100%であって(たとえばDHA、EPA、スクワレンなどの魚油)、このようなにじみ漏れが観察される時は、Aの接合部の強度不足と断定してもよいが、このにじみ漏れが発生する多くの場合は、Bのケース、すなわち粉末などの固形物が含まれている場合である。
このケースの原因究明には、さらに確認検査が必要になる。
(この検査方法については、別項を設けて詳述する)

一般にこのケースは、
  • カプセル内容液中の固形分が、有意に多い。(例えばカプセル内容液中の50%以上)
  • 販社様ご指定の粉末原料の粒子径が、有意に大きい。(例えば60メッシュ以上)
  • PH が、極端に低い(または高い)粉末を多量に含む。

など、カプセル内容液の配合上の問題、設計上の問題であることが多い。
我々受託製造会社は、試作製造や出来上がった試作品での安定性確認によって、このような問題を排除するように努めるが、販社様のご意向によっては技術的にハードルが高い配合であっても製品化するケースもあり、 そのような場合には、カプセル皮膜処方や製造機の条件設定を含めた最善策で対処するとともに、カプセル製造後の外観検査をより厳密に行い、万一発生した液漏れカプセルを、その時点で排除することになる。

なお、これら@からBのいずれかのケースと特定するには、異状品のカプセルが、適正な弾力性を有していることを事前に確認しておかなければならない。
適正な弾力とは、カプセルを指で挟んで力を入れた時に、わずかに凹む程度の弾力であって、カプセルが固すぎる場合には、カプセルが脆くなり割れやすくなるからである。
簡単に判別する方法としては、
  • カプセルが固く、指で挟んで力を入れても凹まず、爪を立てて押してもやはり凹まない。
  • カプセルを奥歯で噛んだときに、パキッとガラスのように割れる。(口腔内を傷つけないように注意)
  • ペンチで挟んだ時に、パキッと割れる。(内容液の飛び散りに注意)

などがあり、このようなことが認められるなら、カプセルの弾力性が不足していると判断できる。
もしも、上記のような触感や硬度計などを用いた破壊強度試験でカプセルの固さおよび脆さが疑われ、またカプセル皮膜水分含量試験等で過乾燥状態が確認されたなら、「Cその他」として挙げた、特殊な事情を疑うべきである。
この事情とは、おもにカプセル製造上の問題、経時的な変化、封入乾燥剤の適性である。

ソフトカプセルは、その皮膜中に、20%〜30%程度のグリセリンと、10%前後の水分を含んでいる。
これらが皮膜に弾力性を与えることで、気温変化におけるカプセル内容液の膨張・収縮によるカプセルの破断(ソフトカプセルの内容液は液体なので、体積変化は固体よりも大きい。これがソフトカプセルの皮膜に、弾力性を与えなければならない理由の一つである)や衝撃による割れを防いでいる。
しかし、カプセル製造上のミス(グリセリンの配合ミス、過乾燥等)によって、これらが本来の必要量に充足していないことがある。

また、カプセル内容液の成分が著しく親水性が高い場合、カプセル皮膜中のグリセリンや水分を経時的に吸着してしまい、皮膜の弾力性が徐々に失われてしまうような特殊なケースもある。
また、包装に使用しされている乾燥剤が極度に大きい場合も、皮膜が乾燥しすぎて弾力性が失われてしまうこともある。
これ等が原因で発生するカプセルの割れは、@と同じような割れ方であって、かつ皮膜自身の弾力性が明らかに損なわれているため、容易に判別できる。
またカプセル皮膜の水分含量検査等でも裏付けできる。

さて、続いて先に触れた、Bのケースの確認調査の詳細について述べることにしよう。
本項の主題はこちらにある。

以下、(その2)に続く。

ソフトカプセルの液漏れ調査(その2)へ

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