錠剤の健康食品OEMにありがちな商品の異常やクレームについてご案内します

錠剤の異常
錠剤は、大きく分けて、次の3種類があります。
  • 素錠(裸錠)… 単にプレスしただけの錠剤。
  • フィルムコート錠…素錠を、セラック(シェラック)ツェイン(ゼイン)などでコーティングした錠剤。
  • 糖衣錠 …素錠を、ショ糖もしくは糖類でコーティングしたもの。

これらの錠剤には、それぞれの製造上の性格や性質に起因する特有な不具合や異常があり、それが製品不良となって消費者クレームにつながることがあります。
以下に、健康食品のOEMでも使われることの多い錠剤における代表的な異常や不具合の例を挙げますので、ご参考下さい。

素錠(裸錠) ●割れ
  • 輸送中などに押し圧や衝撃等の物理的な力が極端に加わった場合
  • 通常の使用状況においても割れ、欠け、粉落ちが発生する場合
があります。
前者は取り扱い上の問題の可能性が大きいですが、頻発する場合には包装設計の再確認が必要になります。
後者は強度(硬度)が不足、その他の問題が危惧されますので、製剤設計の再検討が必要です。
錠剤の割れの写真1 錠剤の割れの写真2
衝撃で割れた錠剤 強度が弱い錠剤が割れた例
※割れに関するその他の問題
打錠する粉末の性質や錠剤設計の不備により、次の異状が起こることがあります。
  • キャッピング…打錠圧力の不均衡で、錠剤上部が皿状に剥離する。
  • ラミネーション…同様に、錠剤が層状に剥離する。
  • ステッィキング…圧縮工程で杵(圧縮棒)に粉末が付着し、錠剤表面が凹んだように損傷する。
  • チッピング…同様な理由で、わずかに損傷したもの。
錠剤のラミネーションの写真 錠剤のチッピングの写真
ラミネーションの例 チッピングの例
●粉落ち
多くは強度が不足しているために輸送中に錠剤の一部が摩損したものです。

●異臭
素錠には、臭いの隠ぺい力は期待できませんので、匂いが強い成分を配合した場合には、その匂いがそのまま感じられることになります。
また、一般に匂いは吸湿すると強くなります。
一例として、グルコサミンコンドロイチン錠は、吸湿すると強い魚臭を発生することがあります。
これらの臭いは、錠剤に強い吸湿や割れ等の外観異常を伴う場合を除いては、総じて軽微な欠点と考えて問題ないと言えるでしょう。
しかしながら、問題視される場合には、糖衣錠またはカプセル加工に変更するか、包装容器内に乾燥剤とともに脱臭剤(活性炭)を封入することで対策可能です。(脱臭機能を合わせ持つ乾燥剤もあります)

●異味
フィルムコーティング錠や糖衣錠は、味のマスキングが出来ますが、素錠は原材料が持つ味をそのまま感じられることになります。
この性格は、逆においしい錠剤(チュワブル錠等の噛んで味を楽しむ錠剤や、トローチタイプのように徐々に溶かして味を楽しむ錠剤)を設計できるメリットとなり得る一方、強い味を持つ原材料(アミノ酸類、カプサイシン類、ニンニク等)や特異な後味を有する原材料(ローヤルゼリー、プロポリス等)を配合した場合には、異味と受け取られるケースがあります。

●外観異常
・色
当然ながら素錠には、色の隠ぺい作用はありませんが、健康食品の多くは天然物を主成分として構成されているため、当該成分の採取場所、採取年、季節によって、錠剤の色が大きく変動することがあります。 このことが製造ロット間での色の違いの原因となり、苦情の申し出をいただくケースがあります。

・変色
一方、吸湿や高温保管において、経時的に着色が進むことがあります。 コラーゲン等のたんぱく質や、ヒアルロン酸、コンドロイチン等の糖類、ビタミンC等の存在で変色は促進されます。 この多くは、たんぱく質と還元糖による褐色反応(メイラード反応)で、衛生的には問題の無いものですが、極端に吸湿した場合には、匂いの発生とともに潮解(溶解、べたつき)が発生します。

・異物
一般食品的な性格を有す錠剤も、近年ではカプセル類と同様、医薬品の管理に準じた徹底した衛生管理によって製造されています。 また錠剤の原料の粉末類は、製造工程でろ過(篩過)されるため、錠剤そのものに異物が混入する可能性は少ないと言えます。 そのため、消費者から異物としての申し出があるもののほとんどが、天然原料由来の黒点・斑点です。 しかし、まれに錠剤自身の破片が付着した不良品や、異物がプレスされた錠剤が認められ、その多くは外観検査で除去されます。 なお最終の包装工程では、ラベル、化粧箱、出荷段ボールなどの紙類が同居するため徹底した衛生管理が必要になります。

錠剤の異物の写真
異物に見える例

フィルムコート錠 ●割れ
素錠の場合とほぼ同じですが、フィルムコーティング錠は粉落ちがありません。一方で硬度が低いと、コーティング工程での欠けやエッジ部(端、ふち部)の摩損が多く、不必要に丸みを帯びたり、歩留まり低下の原因になりますので 素錠以上に硬度が高く、摩損しにくい設計にする必要があります。

●異臭
フィルムコーティング錠も、臭いの隠ぺい力は期待できませんので、素錠同様の課題があります。

●崩壊性の問題
フィルムコーティング層の厚さの過剰によって、崩壊性が悪化する問題です。
特に、セラック(シェラック)は、経時的な崩壊遅延がありますので注意が必要です。 健康食品では崩壊時間に法的規制はありませんし、医薬品と異なり即効性を期待するものではありませんが、消化・吸収されずに排せつされてしまうことは、健康被害と並んで最も大きな欠点(致命欠点)の一つです。
医薬品の規格を目安にした所定の試験方法(胃中での溶解をシュミレーションする崩壊試験)で、60分以内で崩壊したいところです。

●外観異常
素錠と同様な課題があります。


糖衣錠 ●割れ
素錠と同様な課題のほか、内容物の性質により経時的に錠剤内部からひび割れる場合があります。
糖衣錠の深刻な課題として、下記の「クレーム事例」に詳細に取り上げていますのでご参考ください。
製造時の錠剤の割れ写真1 製造時の錠剤の割れ写真2 製造時の錠剤の割れ写真3
製造時に発生した割れ 割れた錠剤の付着 小片の付着
ひび割れた糖衣錠の写真1 ひび割れた糖衣錠の写真2
表面がひび割れた糖衣錠 ひどくひび割れた糖衣錠

●崩壊性の問題
健康食品の糖衣錠は、糖衣層の下(素錠の上)に防水コートとしてフィルムコーティングを行うことが多く行われています。 そこで、上述したフィルムコート錠と同様な課題がありますが、その上にさらに厚い糖衣層を施すため、一層高いハードルとなります。

●外観異常
・形の問題
糖衣コーティングの状況によって、形がいびつになったり、エッジ部の厚さが不足し、凹んで見えたり素錠が透けて見えることがあります。 これらは、糖衣液の配合の問題(弾性物質のゼラチンやアラビアゴムの過多)、もしくは製造中の糖衣液の散布量不足に起因します。

形の悪い糖衣錠の写真
形の悪い糖衣錠

・艶の不足
仕上げ工程のワックスによる艶出しがうまくいかない場合に艶が不足することがあります。 これらは、糖衣錠の乾燥不足、糖衣表面の荒れ(円滑さの不足)、艶出し技術の未熟さなど製造技術の問題に起因することが多いものです。

共通の課題 ●アレルギーの問題
食物アレルギーは近年急激に増加していることが知られています。 そこで食物アレルギーを引き起こしやすい原材料は「特定原材料」として表示が義務付けられていますが、食物アレルギーの原因物質は、多岐・多種類にわたるため、その発症機序は複雑な面があります。
そのため製品パッケージの原材料表示は、アレルギーを持つ消費者のお客様の情報源となるだけでなく、万一発生した場合の原因究明の一助となりますので、十分な情報提供を考慮して記載することが肝要です。

錠剤の健康食品OEMクレーム事例

以下のページは、錠剤タイプの健康食品において、実際に消費者のお客様から寄せられた苦情、クレームなどのトラブル、ご感想、お声などの事例をベースに苦情処理形式でまとめたものです。
内容は事実を元に再構成しており、発生状況、製品名などはすべて架空のものですが、錠剤製品で予想される異常や問題を広範囲にわたって掲載しておりますので、万一、貴社製品においてトラブルが発生した際には原因究明にお役立てください。
錠剤の割れ
・20○○年3月19日 ニンニク牡蠣糖衣錠のヒビ割れ
・20○○年4月23日 ローヤルゼリー糖衣錠のひび割れ
・20○○年7月3日 キトサン錠の粉落ち、欠け、割れ

異物
・20○○年3月9日 グルコサミン錠に異物(黒点)が見える
・20○○年2月15日 コラーゲン錠に異物が認められる

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