ニンニク・カキ糖衣錠のひび割れと調査報告です

ニンニク・カキ糖衣錠の割れ

●発生状況
「ニンニク・カキ錠‐OEM(商品名)が、ヒビ割れている」とのクレームが発生したとして、販社様から20○○年3月19日に苦情現物である商品1本(開封済み、賞味期限20○○.5)をお送りいただき、原因調査をご用命いただいた。

●調査結果
本品は、ニンニク、牡蠣(カキ)、ローヤルゼリー、しじみエキスを主成分とした糖衣錠で、ガラス瓶に180粒を入れた製品である。
いただいた苦情現物は、本来180粒入りのところ126粒を残した使用途中の製品であった。
その126粒を精査したところ、28粒に錠剤表面のひび割れが認められた。(写真1)
それ以外には特に問題は無く、完全に割れたものや破片などは認められなかった。

ひび割れたニンニク・牡蠣糖衣錠
(写真1)

そこで、ひび割れた錠剤の表面を水で少しずつ溶かすことで、糖衣層を慎重に除きながら観察した結果、糖衣層のうち、素錠に最も近い初期コーティング層のサブコーティング層に至った時点で、ひび割れは完全に消失した。(写真2)
その後、素錠状態までコーティングを取り除いて観察したところ、当然ながら素錠でもひび割れは認められなかった。(写真3 白点は糖衣層の名残である)

ニンニク・牡蠣糖衣錠の素錠 ニンニク・牡蠣糖衣錠のサブコート層
(写真2) (写真3)
●原因の推察
糖衣錠にひびがはいる原因は、次の二点が考えられる。
  • 外部的要因
  • 内部的要因
外部的要因とは、外部から与えられる物理的な衝撃のことであって、輸送時、取り扱い時などに、何らかの強い力が錠剤に加わったことを指す。
碁石型で表面が滑らかな糖衣錠は、衝撃を逃がしやすい形状と言えるが、反面、主にショ糖からなる糖衣層は高分子のデンプンやゼラチンと異なり低分子のために弾力性に欠しいと言える。

一方、内部的要因とは、糖衣錠製造後に何らかの錠剤内部の要因にてひび割れが発生する場合で、原因としては錠剤内部に取り残された揮発性成分(水分、エタノール等)の蒸発、経時的な化学反応による気泡の発生、成分(原料)の性質に起因する体積変化の大きさ(気温の変化による体積変化に弾力性が無い糖衣層が追従出来ない)等が上げられる。

上述の調査は、この要因を特定するための観察であり、その結果、今回のケースでは、糖衣の上層(フィニッシング層とスムーシング層)のみにひび割れが起こっており、素錠そのものを取り巻く下層(サブコーティング層)および素錠には異常は認められないことが確認された。
このことは、今回のひび割れは内部から起こったものではないことを示している。

なお、苦情現物に残されたすべての錠剤にひびが見られたわけではないこと、保管サンプルについては異状は認められないこと、同じ製造ロットの製品(2,000本製造)においても、この時点までには類似した苦情の申し出は無いことも総合して考慮し、あらためて本品のひび割れの原因は、流通時や取り扱い時に何らかの外部からの衝撃が加わった可能性が高いと考えられた。

●今後の対策
以上のとおり、今回の割れは、錠剤本質に関わるような異常ではなかったので販社様ともども一安心である。(逆に内部からの割れであった場合には、解決までに相当な労力、時間、場合によってはコストも必要である)
しかしながら、何らかの対策は考えておく必要がある。

このあたりは仮に、OEM製品として全く同じ配合の錠剤であったとしても、販社様の販売方法・発送方法によって異なることがあるが、一般に今回のような異常が頻発するようであれば、
  • 糖衣層、特に最終のフィニッシュイング層の強度を上げる。
  • 包装仕様を再確認する。(緩衝材など)
などを考えねばならない。

参考)
糖衣錠の構造について
一般に健康食品の糖衣錠は、ベースの錠剤(素錠)に、次の操作をすることで製造される。
  • サブコーティング…大まかなにコーティングする工程。
  • スムーシング…表面を大まかに整える工程。色素を加えて着色することもある。
  • フィニッシング…表面を円滑に整える工程。
  • ポリッシング…ワックス類で艶を出す工程。

医薬品の糖衣錠は、品質を高めるための添加物を豊富な候補の中から選択できるが、健康食品では使用できる成分および添加物に制限がある。
そうした条件の中で、サブコート層には、弾力性に富むゼラチン、アラビアゴムなどを配合するが、それ以降の工程では、表面を美しく整えるためにそれらの量を少なくしていく。
粘り気のある物質を排除し、純粋なショ糖を結晶化させることで平滑で艶のある表面を整えるためである。
このことが表面の脆さにつながるため、割れの原因の一つになる。

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